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第3話 ミーナの日記 2/2

 
 ××年1月○○日

 わたしは最近、悩みがある。
 リンクが本当にたまにしか一緒に大人の行為をしてくれないのだ。
 一緒にコウノトリを呼んでくれないのだ。

 おかげで、ほら。
 まだわたしには子供がいないぞ。
 
 
 ××年4月○○日

 ああ、うらやましい。
 リュウとキラに、また女が産まれたぞ。
 しかも今度は三つ子だぞ。
 名前は上から、ユナ、マナ、レナ。
 何だかもう、名前を覚えるのが大変になってきたぞ。

 わたしも早く子供がほしいぞ。
 
 
 ××年9月○○日

 わたしは18才になった。
 身長はもう伸びないらしく、キラと同じのまま変わらない。
 髪の毛はちゃんとキラと同じ長さ。

 まだ子供ができない。
 リュウとキラは毎晩コウノトリを呼んで子作りしているのに、どうしてリンクはわたしとたまにしかしてくれないのだろう。
 キラにあって、わたしにないものでもあるのだろうか。

 キラにあって、わたしにないもの?
 まさか。

 乳か!?
 そうか、Cカップじゃダメなのだ!
 
 
 ××年1月○○日

 誰か助けてくれ。
 Cカップから成長しないぞ。
 キラが揉むとでかくなるらしいって言ってたから、ここ3ヶ月揉み続けているのに何故だ。
 リュウがリンクに揉んでもらうと効果的だと言っていたからリンクに頼んだけど、リンクはダメだと言って揉んでくれないぞ。

 このままではリンクが毎晩子作りに励んでくれないぞ。
 どうすれば良いのだ、わたし。


 ××年5月○○日

 最近になって気付いた。
 夜になっても、コウノトリを呼んでいる人を見たことがないぞ。
 どうしてだろう?
 わたしはこんなにも、子供がほしいというのに。
 まあ良いか、世間のことは。
 
 
 ××年9月○○日

 わたしは19才になった。
 そして今までで一番嬉しいプレゼントを、リンクからもらった。

 ちょっと早いけどって、リンクがわたしに渡したものはエンゲージリングだった。
 プロポーズは「来年おまえが20歳になったら、約束の結婚しような」って、優しい声で言ってくれた。
 嬉しくて泣いてしまった。
 わたしは来年、リンクのお嫁さんになれるのだ。

 って、そうか!
 コウノトリはわたしとリンクが婚約してなかったから来なかったのだ!
 キラの腹にコウノトリが赤ちゃんを持ってきてくれたのも、リュウと婚約してからだったしな!
 そうか!
 そうなのだ!
 そうだったのだ!
 
 
 ××年11月○○日

 呼べばせっかくコウノトリが来るというのに。
 リンクは相変わらず、たまにしか一緒に呼んでくれない。

 何でだろう。
 やっぱ乳かな。
 凹むぞ。
 
 
 ××年1月○○日

 とても遠い島にいるリンクの親戚が、リンクから婚約したと聞いて訪ねて来た。
 リンクはしばらく会っていなかったらしいが、わたしは初めて会った。

 はっきり言ってすごかったぞ。
 みーんなリンク口調で、あそこまで一杯いると何を喋っているのか分からなかったぞ。
 リンクいわく、えらく気に入られたわたしは親戚一同に揉みくちゃにされたぞ。

 3日間葉月島にいると思うと、ちょっと疲れるのは秘密だぞ。
 
 
 ××年5月○○日

 コウノトリ来ないぞ。
 たまにしかリンクと一緒に呼んでいなくても、全部合わせれば結構な回数で呼んでいるはずなのに。
 何故だろう。

 コウノトリ、わたしには子供をくれないのかな。
 悲しくなってきたぞ。
 
 
 ××年8月○○日

 リンクが29才になった。
 相変わらず童顔だ。

 そしてわたしは来月で20才になる。
 リンクと結婚する。
 それなのに、まだコウノトリは来てくれない。

 悲しくなって泣き出したわたしに、リンクは「結婚式の夜に、全てを教えるから」と言った。
 とりあえず泣き止んだわたしだったけど、それはどういうことなのだろう?

 全てって?
 どういうことなのだ?
 
 
 ××年9月○○日

 わたしは、明日で20才になる。

 7年前に、キラとリュウが結婚式を挙げた教会。
 あそこでわたしは、7年前にキラが着たウェディングドレスと同じデザインのドレスを着て、リンクと結婚する。
 わたしは、リンクのお嫁さんになるのだ。

 どきどきして、今夜は10秒もの間眠れなさそうだ。
 
 
 ――ミーナは手に持っていたペンを置き、日記帳を閉じた。

 振り返ると、もうベッドに入っているリンクが訊いた。

「今日の日記、書き終わったん?」

「うむ」

「ほな、おいでや」

 そう言って、リンクが薄い布団をめくってミーナを腕に誘う。
 ミーナは部屋の電気を消すと、リンクの腕の中に寝転がった。
 抱き合って、どちらかともなくオヤスミのキスをする。
 唇を離して、リンクはミーナの長い髪に指を通して言う。

「髪、伸びたな。ほんま、すっかり女っぽくなったな。最近、化粧も少しするしな」

「そうだろう、そうだろう」

 自慢げにいうミーナ。
 リンクが笑った。

「まあ、中身は子供のまんまやけどな」

「にゃ、にゃにおう――」

「明日」リンクがミーナの言葉を遮った。「明日の結婚式のあと、ほんまに大丈夫か?」

「? 何がだ。結婚式の夜に、全てを教えるって言ったことか?」

「ああ。それがどんなことでも、大丈夫か?」

 ミーナは眉を寄せた。
 暗闇の中、リンクが真剣な顔で訊く。

「ミーナ、ほんまにおれとの子供がほしいんやな?」

「あっ、当たり前ではないかっ!」

「……分かった。ほな、どんなことされてもええ覚悟でいてや」

 と、リンクがぎゅっとミーナを抱き締めた。
 成長したとはいえ、キラと変わらない背丈のミーナはやっぱり小さい。

「ど、どんなこと……?」

「精一杯、優しくする……から」

 そんなリンクの言葉に、ミーナは混乱して眉を寄せる。

「う、うむ? 精一杯優しくコウノトリを呼ぼうなっ……?」

「……」

 リンクは苦笑したあと、もう一度ミーナの唇にキスして目を閉じた。

「おやすみ、ミーナ」

「おやすみ、リンク」そう返したあと、ミーナはまた口を開いた。「……なあ、リンク?」

「ん?」

「リンクは、わたしに言わないのか?」

「何を?」

「リュウがたまーーーにキラに言うらしい、あの台詞だ」

 と言いながら、ミーナが欠伸をする。

「う……」リンクの顔が熱くなる。「…い…言った方がええかっ……?」

「好き、とは言われているけど、ソレは聞いたことがないからな」

「……わ、分かった」

 リンクは咳払いした。
 言う覚悟をするまで数秒かかり、そのあと耳まで真っ赤にして言った。

「あ……愛してるで、ミーナ」

 よし、言えた!
 言えたで、おれ!

 心の中でガッツポーズをしながら、ミーナの反応を待ったリンク。

「……」

「……ミーナ?」

「……」

「……おい?」

「……」

「……え?」

 眉を寄せ、リンクはミーナの顔を覗き込んだ。
 暗闇になれて、ミーナの顔が見える。

 そう、寝顔が。

「ねっ、寝たんかいっ!!」

「…みぃ……」

 すっかり瞼を閉じているミーナが、リンクの胸にしがみ付く。

「ま、まったく、もうっ……! 二度と言ってやらへんからなっ……!」

 呆れながら、再び瞼を閉じたリンク。
 寝言のような口調で、ミーナが言う。

「…わたしも愛してるのら、リンク……。愛してるのらー……」

「……お、おう」

 と、少し頬を染めながら返事をしたリンク。
 そのあと夢に入っていったミーナの白猫の耳にキスして、どきどきとしながら微笑んだ。

(この白猫のミーナは、明日、この世で一番可愛いおれのお嫁さんになる)

 そして、

(ついにコウノトリがいないことを知る……)

 明日の夜が楽しみのような、怖いような……。
 リンクは苦笑したあと、ミーナを追って夢の中に入っていった。
 
 
 
 
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