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第1話 ミーナ12歳 2/2


「ばっ、おまっ……! なっ、何言って……!!」

「よし、分かったぞキラ! 初めての風呂、がんばるぞ!」

 そう言い、携帯電話をベッドの上にぽーんと投げたミーナ。
 必死な様子で、リンクの腕を引く。

「リンク、一緒に風呂入ってくれっ!」

「あっ、あかんっ、あかんあかんあかんあかんあかん!! そんな12にもなって!!」

「こーわーいーのーだあああああっ!!」

「入ってみれば馴れるから! すぐ馴れるから! な!? 頼むから一匹で入ってやああああ!!」

 逃げ出すリンクの背に、ミーナがしがみ付く。

「いーやーだあああああああ!!」

「かっ、勘弁してえええええっ!!」

 リンクはベッド上の携帯電話を再び手に取り、半ばパニックになりながらリュウに電話をかけた。
 キラが出ると思ったのだが、聞こえてきたのはリュウの声だった。

「なんだよ、リンク」

「リュ、リュウ! ちょ、た、助けてっ! ふ、風呂っ、風呂一緒にって……!?」

「一緒に入ってやれよ」と、リュウはあっさりと言う。「ミーナの主だろ、おまえ」

「せっ、せやけどっ…せやけど……! おっ、女の子なんやで!?」

「俺だって女のキラと一緒に風呂入ってるぜ」

「おまえらはすでに大人の付き合いしてるからえーねん! おれは!? 一緒に風呂入れって……えええええ!?」

「なんだよ、リンク。おまえ、ガキ相手に興奮すんのかよ。変態め」

「ちっ、ちゃうわっ!!」

「じゃあ一緒に入ってやれよ。んなに狼狽してっと、本当に変態なんじゃねーかって逆に疑うっつーの。じゃーな」

「ちょっ、待っ――」

 待ってくれ!

 というリンクの願いなんてお構いなしに、リュウは容赦なく電話を切った。

(逆に変態かと疑われる…!? そ、そう言われるとそうかも……!?)

 動揺するリンクの背で、ミーナが泣き出す。

「ふみゃあああん! 怖いのだっ! こーわーいーのーだあああああ!!」

「な…泣くなやっ…! …わ…わかったから……」

 バスルームへと向かうリンクの手足が同時に動く。
 脱衣所に入って、リンクが腹に回っているミーナの腕をはがす。

「ほ、ほら。離してや。服脱げないやろっ……」

「う、うむ」

 ミーナが泣き止み、リンクから手を離して涙を拭った。

 リンクは服を脱いで、背にいるミーナにさらに背を向けさせてからキャラクター柄のトランクスを脱いだ。
 しっかりと腰にタオルを巻いてから言う。

「もうええで、こっち見て……」

 ミーナは振り返ると、急いでリンクの前に回った。
 必死な様子でリンクの首にしがみ付く。

「だっ……抱っこするのだっ! 抱っこ! お、落とすなよっ!?」

「わ、分かっとるっ……」

 リンクは言いながら、小さなミーナの身体が落ちないように左腕で抱き締めてやった。
 まだ子供でも、やっぱり女の子の柔らかさをリンクの胸元に感じた。

 リンクがバスタブに足を入れて、ミーナの足先が湯に触れる。

「みゃっ」

 と、ミーナがびくっとして足を折り曲げた。

「大丈夫やて、大丈夫」

 リンクはそう言って、ゆっくりと湯の中に入っていった。
 怯えたミーナの爪が肩や首に突き刺さる。

 はっきり言ってえらく痛いが、リンクは堪えて何ともないふりをし、ミーナを落ち着かせるように言ってやる。

「ほら、大丈夫や。怖くないやろ?」

 リンクがミーナの小さな肩などに湯をかけてやると、やがてミーナが落ち着いてきた。
 リンクにしがみ付いている腕の力が抜けていく。

 そのときになって、ミーナはようやく気付いた。
 自分の爪で、リンクの首や肩から血が出ているのを。

「あっ…!」

 ミーナの顔が狼狽し、リンクは笑いながら言う。

「なーに、これくらい平気やって。おれやて一流ハンターやから、これくらいの傷なんて――」

 えっ……?

 リンクは言葉を切った。
 首に、肩に、ミーナの舌を感じて。

「ちょ、ちょちょちょちょ……!?」

 リンクの顔が真っ赤に染まっていく。
 一方のミーナは、焦った様子で血の出ているリンクの首や肩を舐めている。

「ごっ、ごめんなさいっ…ごめんなさいなのっ……!」

「い、いやいやいやいやいやいや! い、いいいいいいからっ! いいからミーナっ…! 平気やからっ! なっ!? もう舐めないでええから! なっ!?」

 ていうか、やめてくれ!!

 リンクは慌ててミーナを引き剥がした。
 心臓がばくばくで爆発しそうだ。

「ミ、ミーナ!? ふ、風呂、も、もう慣れたか!? 慣れたやろ!?」

「うむ、もう大丈夫だぞ。それより傷――」

「えーーからっ!! もう舐めんでえーーーからっ!! ほ、ほなっ、おれ先に上がってるなっ!?」

 そう声を裏返して言って、立ち上がったリンク。

 ズルッ

 腰からタオルが落ちた。

「――!?」

「? リンク、何だソレ?」

「みっ、見ないでえええええええええええ!!!」

 ありがたいことに、ミーナは無事、次から一匹で入浴してくれるようになった。
 
 
 
 リンクがミーナを買い始めてから約2ヵ月半。
 ただいまリンクとミーナは、リュウ・キラと共に睦月島にいる。
 葉月ギルド長の別荘で寝泊りしているのだが、リュウとキラは2階にあるベッドで、リンクとミーナは屋根裏部屋で眠っている。

 現時点で21歳のリンクと12歳のミーナは『おやすみのチュー』を頬にする程度。
 リンクはそれ以上はする気ないし、考えていなかったのだが。

 この日の夜、ミーナが布団の中で突然こんなことを訊いてきた。

「なあ、リンク? あと数年したら、リュウとキラが特に夜にやっていることをわたしに教えてくれるのか?」

 つまり、夜の営みである。

「な……」暗闇の中、リンクは赤面した。「なんやねんっ、いきなりっ……!?」

「今日、リュウに言われたのだ。わたしもあと数年すれば教わるって」

「なっ…なにいってんねんっ、リュウの奴っ……!」

「教えてくれないのか?」

「えっ!?」リンクの声が裏返る。「いや、その……。お、おまえが20歳になったら考えるわっ……」

「まだまだではないかっ」ミーナの頬がむくれた。「リュウはそれが大人の愛情表現だと言っていた! わ、わたしだってあと数年すれば大人ではないかっ…!」

「お、おれからすれば子供なのっ! そ、それは本当に大人の行為なんやからなっ…!? やり方によっちゃ、お腹に赤ちゃんできんねんからなっ……!?」

「赤ちゃん」ミーナが鸚鵡返しに言った。「大人の行為をすると、赤ちゃんができるのか? 大人の行為ってどんなことをするのだ?」

「え…えと…、せやから……な?」

「うむ?」

「大人の行為とは……コ、コウノトリさんを一緒に呼ぶことや!」

「おお」ミーナが声を高くした。「そうか、コウノトリという鳥が、赤ちゃんを持ってきてくれるのか! リュウとキラは、いつも一緒にコウノトリの名を叫んで呼んでいるのだな! それが大人の行為なのだな!? ……あれ、でも」

 と、ミーナの疑問が続く。

「リュウとキラは毎晩コウノトリを呼んでいるのに、コウノトリは来ないのか?」

「えっ?」

「なあ、どうしてだ?」

「あ、あ、あれやな、きっと。窓閉まってて入ってこれなかったんやなっ」

「何。残念なことをするぞー」

「そ、それかコウノトリさんが忙しいんやなっ」

「ほお。そうか、コウノトリは色んな人に赤ちゃんを配って回らないといけないからなっ」

「そ、そうそう。あは、あははは」

 ミーナがコウノトリを知ったのは、このときだった。
 そしてこれを、ミーナは結婚するまで信じることになるのだった。
 
 
 
 
本館『NYAN☆PUNCH!』
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